2008年09月14日

第32回「時はパソコン断ちを・・・―パソコン故障顛末記」

本格的な雨季を間近にして曇り勝ちの天気が続く。こんなときは、ともすると心も沈みがちになるところだ。そんな折も折り、愛用しているノートパソコンのハードディスクが壊れてしまった。


筆者は、某アメリカ老舗メーカー一筋なのだが、以前使っていた機種が約5年間使って全く壊れなかった。絶対の信頼をおいてしまった筆者が迂闊だった。恥ずかしい話だが、なんとバックアップを一切取っていなかったのだ。


 

バンコクにある日系の修理業者に修理を依頼したところ、まず完全復旧の可能性は50%、データをすこしずつ引っ張り出せる可能性は40%、完全に駄目になる可能性は10%とのことだった。

もし、完全に駄目になるとすれば、開業以来6年間の顧客リストやさまざまな会計資料はもちろん、過去当欄に掲載してきた約5年間の原稿も駄目になってしまう。
こんな状況では、、普通の人は精神的に落ち込むものだろう。

だが、故障直後はさすがに焦ったものの、時が経つに連れ、筆者はいつになく元気になっていった。


 

なぜか?


 

ちょうど時期はゴールデンウイーク。日本は休みだ。タイも連休が続くこともあって、緊急にやらなくてはならない仕事も多くはない。筆者が騒いだところで、データがどうなるものでもない。エンジニアに任せるばかりだ。そもそもこれしきのことで会社がつぶれることもあるまい。思い切ってこの期間はジタバタせずに、じっとしていることに決めた。

約一週間パソコンを触らなかった。

パソコンというものは相当人間を消耗させるようだ・・・。
一年365日、この約10年間パソコンを触らない日はなかったので、気づかなかった。

日々、気力体力が充実していくのが体感できるのだ。


 

それゆえ、コンピューターが壊れたというショックよりも、そのことの気づきの悦びの方が大きかった。元気になったというのは決して強がりではない。


 

そしてちょうど、筆者の仕事の内容を、会社のしくみを大きく作り変えなくてはいけないと思っていた矢先だった。


 

「創造の前には破壊が必要だ!」という言葉もある。


予期せぬことではあったが、破壊の神様がコンピューターを本当に壊し、じっくりものを考える時間を与えてくれたものと思う・・・。

この連休中は本を読んだり、先のことを考える思索の時間、充電の時間が十分に取ることにしよう・・・。


 

その後には創造の神様がきっと微笑んでくれることだろう・・・。

このようにハラを据えて過ごした連休明け、件のパソコン修理業者から電話が入った。「ハードディスクの損傷は激しかったので難しかったですが、何とかデータは保全されて取り出せました。」

神様が微笑んだ。

「時はパソコン断ちを・・・」どうぞ。


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(2006年5月掲載)
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2008年09月13日

第31回「子供が喜ぶと、私も嬉しくなりました―バーンロムサイ滞在記その2」

「先日は大変お世話になりました。Mです。今回の旅は私の人生において、初めての飛行機、初めての海外でしたが、谷田貝さんのおかげで、安心してタイを楽しむことができました。どうもありがとうございました。

なにかあれば谷田貝さんに聞けばよい、という安心感がありました。(中略)タイのホテルはシャワーのお湯がまともに出ないのではないかと思っていました。すいません…。しかし、日本と同じくらい快適なので困ることがありませんでした。安心して眠れるということが安心感につながります。旅に慣れていない私にとっては、重要なことでした。」

 

2月の下旬、富山県のNPOマイジョブクリエイションズとの協働事業・若者のための就業体験プログラムを実施した。所謂ニートと呼ばれる若者たちのための研修だ。彼らの同行で、チェンマイの郊外にあるHIV孤児生活施設バーンロムサイに滞在しのだが、先日、プログラムに参加した若者M君からお便りが届いたので紹介する。

http://www.banromsai.jp/

「バーンロムサイは雰囲気がとてもよかったです。雑誌やテレビで見るような風景で、まさか自分がこんな所に泊まれるとは思っていませんでした。寝室とリビングの組み合わせが開放感を生んで、気持ちよいです。ここがホテルと大きく違うポイントですね。」

環境は気に入ってくれたようだ。

だが・・・。

バーンロムサイでは約30人の、HIVに母子感染した3歳から14歳までの子供たちが共同生活を送っている。滞在中は毎朝、午前7時から約二時間、子供たちと一緒に敷地内の落ち葉掃除をした。

「バーンロムサイで、子供と遊ぶのはちょっとなあ…と思っていました。実は苦手な分野なのです。」

M君は一人っ子。小さな子供たちとどのように接して良いのか分からないのだろう。いや、M君だけの問題ではない。今、日本へ行けば子供同士が遊んでいる光景すらなかなか見られなくなった・・・。

最初は、戸惑っていたM君だが・・・。

「しかし、うろうろしていると子供のほうから抱きついてきてくれます。私が自らコミュニケーションをとろうとしなくてもすむのが楽ちんでした。おんぶなり抱っこなりすれば、それで子供は嬉しそうです。子供が喜ぶと、私も嬉しくなりました。」

M君は、苦手とは云いながら1時間以上も子どもをおぶって果樹園の中を歩いていた。なかなかすばらしい光景だった。

「子供が喜ぶと、私も嬉しくなりました・・・」

とても素朴な言葉だが、その時のM君のこころをもっとも的確にあらわす言葉だろう。M君が嬉しくなると、筆者も嬉しくなる。幸福の連鎖だ。

M君は今回の旅で、足ツボマッサージの資格を取得した。これからの仕事に活かすのだろうか?これも人が喜ぶ仕事だ。

M君、また一緒に旅をしよう!!

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(2006年4月掲載) 
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2008年08月31日

第30回「幼老共生という言葉が・・・」

 

「挨拶遅くなりまして大変申し訳ありません  富山のTです。帰国して2週間経ちますが、まだ興奮冷めやらず、今でもタイで過ごした日々を思い浮かべてしまいます・・・」

 

2月末のある日、久しぶりにクロントイスラムにあるプラティープ財団を訪問した。プラティープ財団は、今は上院議員になられたプラティープ女史が16歳の頃、地元スラムの子ども達に読み書きを教えようと始めた「一日一バーツ学校」が母体になっている。主に子ども達の教育支援をしているボランティア団体だ。 http://www.dpf.or.th

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今回、富山県の事業を委託されているNPO法人マイジョブクリエーションズと共同で若者の就業支援プログラムを企画した。http://www.toyamav.net/~myjob/

 

その一貫として、介護福祉士で幼稚園教諭の資格もあるT君の就業体験をドゥアン・プラティープ財団で引き受けてもらうことになったのだ。冒頭は、研修終了後、T君から届いた手紙の一節だ。

 

プラティープ財団に到着後、所内の幼稚園を案内してもらった。丁度地域のお年寄りとの交流を行う日で、数十人の園児と、集まったお年寄り達がお遊戯に興じていた。

 

「なんと、お年寄り達の表情の嬉しそうなことだろう・・・。」

 そして、子ども達の笑い声が明るいこと・・・。

タイ語を一言も話せないT君は最初不安そうだったが、この光景をみて、人との交流は言葉だけではないということに、直ぐに気付いてくれたようだ。

 筆者自身はこの光景を見て、唐突に幼老共生という言葉が頭に浮かんだ。

アメリカではフロリダなどの温暖な土地に、リタイアメントタウンと呼ばれる年金生活者のコミュニティーがある。そこでは、子どものいる若い世代の同居を禁止、制限する場所もあるそうだ。

 

理由は、自分達だけの静かな生活を乱されたくないということ。自分達が納める税金を、学校施設など子ども達の教育費で使われたくないということだ。

 

それをある本で読んだとき、何だか「嫌なものを見てしまったな・・・」という、何だか冷たい、ザラリとした違和感を覚えたものだ。

 

最近日本でも、ロングステイという言葉が、団塊の世代の年金不安回避策としてだけ語られるのに違和感を覚えていた。シニア世代が、今は潤沢にもらえる年金を資金にして自分の暮らしたいところで暮らす・・・。

 

それはそれで結構だが、彼らが去った後の日本はいったいどんな社会になるのか・・・。

 

ここにも、アメリカのリタイアメントタウンに暮らす人達と同じ、自分本位な発想を見る思いがした。

 

タイで長年ボランティア活動にうちこんでいる年上の友人から、「子どもと、高齢者と、障害者が幸福そうな顔をしている社会が、本当に豊かな社会なんですよ・・・」と聞かされたことがある。

 特定の世代だけが幸福感を得られる社会にはなって欲しくないと思う。それぞれの世代が幸せな関係性をもちながら暮らせる社会になって欲しいと思う。 T君からの手紙は、次のように締めくくられていた・・・。「今回の研修で僕はタイは『癒しの大地』という意味がわかった気がしました。タイで過ごした日々は、いつも笑顔に囲まれて幸せの一言でした。谷田貝さんがタイを好きになった気持ちもわかった気がします。

これからは癒しの気持ちを忘れずに、自分にも人にも優しくなれたらと思います。」

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(谷田貝)

(2006年4月掲載)

 
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第29回「落ち葉掃き、そしてハーバルスチームサウナの効用とは?―バーンロムサイ滞在記」

2月の下旬、富山県のNPOマイジョブクリエイションズとの協働事業・若者のための就業体験プログラムへの同行で、チェンマイの郊外にあるHIV孤児生活施設バーンロムサイに滞在した。 所謂ニートと呼ばれる若者たちのための研修だ。

ここ、バーンロムサイでは約30人の、HIVに母子感染した3歳から14歳までの子供たちが共同生活を送っている。彼らには既に両親はいない。 http://www.banromsai.jp/

 到着二日目の朝、午前7時から約二時間、敷地内の落ち葉掃除をした。広大な敷地は元果樹園で、マンゴーやリンチー(=レイシ)の木々が生い茂っている。毎週、学校が休みの土日曜日の朝、落ち葉を掃除するのが子ども達の役割のひとつなのだ。

筆者は見ているだけのつもりでそのあたりを散策していたのだが、8歳の女の子に手をつかまれ、彼女の担当地区へと連れて行かれた。そして約二時間、彼女の指示のもと、生真面目な助手として熊手を振るったのだった。

落ち葉掃除など、中学生以来だ・・・。

  P2260039.JPG  不思議なもので、掃除をしているときは頭の中が空になりその作業に没頭した。一定のリズムで一定の動作を繰り返すことは、一種の瞑想効果でもあるのだろう・・・。

その日の午後は、日本から来た二人の若者たちは子供たちと思い思いにすごし、われわれ付き添いの大人たちは、事務所棟でバーンロムサイ代表の名取美和さん、アシスタントの麻生さんと打ち合わせをした後、バーンロムサイのゲストハウスの敷地にあるプールで泳いだり、ハーバルスチームサウナに入ったり、猫と遊んだりして過ごした。

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元果樹園の広い敷地に、素敵なコテージタイプの部屋が二棟だけ建っている。別棟には広々としたオープンエアーのリビングとダイニングがあり、市場で仕入れた食材を使い、自分自身で料理を楽しむことも出来る。

 

ハーバルスチームサウナは、数種類のハーブを外付けの釜で煮て、その蒸気をサウナ室内に送り込むものだ。室内にはハーブから抽出された蒸気が充満しており、肌から、あるいは呼吸器から成分を体内に取り込み、体の各器官に有効に作用するようだ。

 発汗作用があるのは勿論で、清々しいハーブの香りの蒸気とともに、流れ出る汗が、いかにも体内の毒素を取り出してくれているように実感させられる。

ちなみに、ゲストハウスの宿泊棟は勿論のこと、このサウナ棟も、バーンロムサイ専属の大工たちが作り上げた“手作りの作品”だ。

 

何度目かのサウナ入浴中、外からバーンロムサイ代表の名取さんが「温度はいかがですか〜?」と声をかけてくれ、温度を調整してくださった。

 子どもの仕事を手伝い(遊んでもらい?)、サウナに入り、研修目的とはいうものの、なんとも贅沢な楽しみ方をさせてもらったものだ・・・。
(谷田貝)
(2006年3月掲載)

posted by バーンタオ at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | NPO・NGO関連

第28回「快食・快眠・快便、そして社会の健康のレベルも・・・」

「ロングステイという言葉がこれからも依然として、『シニアが、日本の社会制度不安から避難するテクニック』として焦点が当てられ、世間で使われ続けるならば、それはもう、私が目指す事業をあらわす言葉ではありません・・・」

 去る3月1日、インペリアル・クイーンズパークホテルの宴会場で行われた、タイ国政府観光庁主催の「ロングステイ事情視察研修」初日のセミナーに参加した。東京、大阪、福岡から、メディア、旅行、ロングステイ関係者、約30来タイし、彼らの前で約10分間のスピーチを行ったのだが、時間がわずかなので、云いたいことは言い尽くせないだろうと思い、予め配布資料として用意していた文書の中に、冒頭の文言を入れておいたのだ。とうとう云ってしまった・・・。

実は先週来、富山県のNPOマイジョブクリエイションズ主催の約一週間にわたる就業支援プログラムで若者たち二人(一人は26歳で、所謂ニート、もう一人は30歳代前半の介護福祉士。)に同行してきた。http://www.toyamav.net/~myjob/

筆者が親しくお付き合いをさせていただいているタイ国内の各種施設にお願いし、視察をしたり体験をさせてもらった。(ムエタイジム、クロントイスラムのボランティア団体、バンコク郊外の有機農法農場、マッサージスクール、チェンマイのHIV感染孤児生活の場・・・)

事前に日本で、キャリアカウンセラーでもあるマイジョブクリエイションズ代表の盛田さんが、若者達二人にカウンセリングをした後協議し、視察内容・体験内容を決めたのだが、今回、彼らと同行したことで、結局これらを選択したことが、今の筆者自身の関心の対象であることがはっきりした。盛田さんと同行し、プログラムの合間合間に企画の意図の再確認や、今後の事を話すことが、私自身のカウンセリングになっていたのだ。

自分の事業の方向性、やりたいことが今回の旅で明確になった。

読者の中には、若者の就業支援とシニアのロングステイは全く関係ないじゃないかという方もおられるだろう。しかし、筆者のなかでは、その関係性はより明確になったのだ。

今、メディアで一般に言われるロングステイという言葉には、日本の年金、医療保険などの社会制度不安から避難する方法論としてのニュアンスが強いと思う。

しかし、避難することだけを考えていると、日本の社会はどうなるのだろう。「幼老共生」という言葉がある。「子どもと、高齢者と、障害者が幸福そうな顔をしている社会が、本当に豊かな社会なんですよ・・・」と、尊敬する先輩から教えられた。

やはり、特定の世代(または階層)の人だけが突出して幸福感を得られる社会になってはいけないと思うし、それは継続しえないと思う。

人間の健康のレベルも、例えば快食・快眠・快便の3要素があるとすれば、そのどれかが突出して良くなったり悪くなったりすることは、まずありえない。それぞれの要素が関連しあって、全体としての健康のレベルが高まったり低くなったりする。

社会の健康のレベルもそれと同じことだ。

冒頭のセミナーには日本のロングステイ財団の理事も参加していた。「ロングステイという言葉がこれからも依然として・・・」と発言し、どのようなことになるかと思っていた。

が、しかしセミナー後の懇親会では、この理事も含め、多くのメディア関係者が筆者の発言に注目してくれ、深夜まで語り合った。

そして、筆者も更に確信を深めた。

「『癒しの大地・タイ王国に暮らす』をキーワードにして、若い世代のための就業支援プログラムの実施や、障害をお持ちの方のリハビリのための滞在のお世話、などを通じ、それぞれの世代が幸せな関係性をもちながら暮らせる社会作りのお手伝いをしていきたいと思う。」

すでに3月になってしまったが、今年の決意表明としよう。

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(谷田貝より)

(2006年3月掲載)
posted by バーンタオ at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ロングステイ

2008年08月12日

第27回「ハーモニーライフオーガニックファームとは・・・」

「谷田貝様 信州では、今朝は氷点下10度と、大変厳しい冷え込みとなっています。暖かいタイからの帰国早々で、寒さが身にしみます。先日は大変お世話になりました。

おかげさまで大変有意義な、楽しい研修旅行となりました。ハーモニーファームの大賀社長の、有機無農薬野菜への、献身的で壮大な取り組みには感動しました。今後何らかのご縁が出来ればと思います・・・」

 去る2月5日、バンコクから車で約2時間、ナコンラチャシマ県パクチョンにあるハーモニーライフオーガニックファームを訪れた。 http://www.harmonylifeinter.com

ご案内したのは、京都からお越しのHさん(エクステリア製品製造販売)、東京からお越しのT(ラーメン店チェーン経営)、長野からお越しのTさん(菓子製造販売)、大阪からお越しのIさん(アパレル会社経営)という、シニアの会社経営者計4名。

 

皆さんは、ある経営コンサルタントの研修を同じ時期に受けた“同級生”だ。新しい食材の発見ということもあったのだろうが、新しいビジネスモデルの模索など研修目的での来タイだった。

 朝、9時にバンコク市内のホテルを出発。11:00頃、ナコンラチャシマ県パクチョンのファームに到着した。

最初、所内会議室でレクチャーを受けた後、大賀さん自ら農園内を案内してくださった。

 

空は雲ひとつ無く晴れ渡っている。近在の山から吹き降ろす風がとても爽やかだ。汗はかいているものの、どんどん蒸発していくようだ。その山の向こう側は、カオヤイ国立公園。

 そのような環境の中、約1時間かけて農園内を歩き回った。

大賀さんが6年間苦労の末育て上げた畑からは、約30種類の有機野菜や、モロヘイヤ、そしてパパイヤなどの果物が生産されている。

 

山間にあるのでレタスなどの高原野菜はもちろん、日本種の茄子、胡瓜、そしてタイ特産の野菜、パックブン(空心菜)や唐辛子も栽培されている。パックブンの畑ではパックブンの花が咲いているのを観た。在タイ約20年になるが初めてのことだった。



そしてこの農場では、堆肥を作るためだけに牛が飼われている。訪れたときは、生まれて丁度一週間の子牛もいて母牛のお乳を盛んにねだっていた。

また、農作物の他に、やはりこの農場で栽培されるハーブを利用したエコ石鹸、エッセンシャルオイルも製造している。

 

大賀さんにとって、起業されて6年という歳月は長い苦労の年月であったろう。だが、逆に僅か6年でここまで理念を明確に形にされているのは見事を通り越して驚きというしかない。

 

見学の後、大賀さんの苦労の結晶ともいえる取れたての野菜を頂戴した。どれも美味。トマトならトマト、胡瓜なら胡瓜といった野趣溢れる野菜本来の味を楽しむ事ができた。

 

訪れた四人からは、帰国後直ぐに感謝の言葉が寄せられた。ハーモニーライフへの訪問は、それぞれ思うところ強かったようだ。

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(2006年2月掲載)
posted by バーンタオ at 18:47| Comment(0) | TrackBack(0) | ウエルネス(健康関連)

第26回「精霊たちと遊ぶ心を・・・」

「良いピーが家に居ついてくれると良い事があるよ・・・」と、廻りのタイ人に勧められた。

 

その言葉に従い、正月3日の午前、昨年末引っ越してきたばかりの自宅兼事務所で祭祀を執り行った。

 

このように書くと大げさに聞こえるが、祭祀を司ったのは、普段はアユタヤで大衆食堂を営むタイ人夫妻だ。奥さんが霊媒師、ご主人が祈祷師といった役どころだろうか。正月休みでたまたまバンコクの親戚宅に滞在していたのを知り来てもらったのだ。

昔は日本でも、各村々に霊媒師のような存在の人物がいたという。普段は農民だったり鍛冶屋だったり・・・。そのような伝統が、ここタイではまだ普通に残っているようだ。

タイでの上座部仏教への篤い信仰は良く語られる。ところが、もうひとつ、アミニズム=精霊信仰も、まだまだ生活に根ざしているということだろう。

さて、精霊のことをタイ語でピーと言う。彼らは大きな樹木などの自然の万物、家屋などに宿る。これには善をもたらすピーと、悪をもたらすピーの二種類があるのだということを学生時代、タイ関連の書物で読んで知った。ピー・ディーはよい霊、 ピー・ラーイは悪い霊といった具合に・・・。我々が理解するところの霊といえば、後者の悪霊、幽霊の類だろう。それだけに、「善をもたらすピーもいるのだ」という発想に、とても新鮮な驚きと、そして何か楽しげなものを感じた記憶がある。


そして実際、タイの人たちが平気な顔をして、「昨日どこそこでピーを見た。」と云いあっている光景をたまに目にする。こちらは、ピーと言えば悪霊、幽霊をイメージしてしまい、いちいちドキッとしてしまうのとは大違いだ。突然精霊などと言い出して、読者も戸惑うだろうが、筆者はタイのこうした伝統・風習は尊重して暮らしていきたいと思っている。

自然の中の精霊の存在感に想いを致す感覚・能力というのも、やはり忙しすぎる先進国出身の我々が、どこかにおいてきてしまったものなのかもしれないからだ。人間は誰でも精霊を眼にし、語らうことが出来たんだと云う人もいる。

例えば、生後間もない赤ちゃん。何も見えない虚空を突然指差し、ニコニコと微笑んだり声を上げて笑ったりする光景を目にしたことはないだろうか?
 それは、我々大人たちには見えなくなった精霊たちと遊んでいるのだそうだ。

筆者に健康への気付きを与えてくれた心の師で、アメリカにおける代替医療の権威、アンドリュー・ワイル博士は、健康の要件として、身体的健康、精神的健康のほかに、霊性=スピリチュアルの健康ということを重視している。

「精霊たちと遊ぶ心」

歳を重ねる毎にどこかにおいてきてしまったそんな心を、タイの人達と暮らし精霊たちと暮らすこと(=タイの風習に触れること)で、少しずつ取り戻して行きたいものだ。タイで心身ともに癒されたという人が多いというのも、存外この精霊達の善なる行為の賜物かもしれないのだ。

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(田舎では結婚式も祈祷師がつかさどる)  


(2006年2月掲載) 
posted by バーンタオ at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | スピリチュアル・仏教関連

第25回「ヨーガセミナーを開催しました・・・。」

「先日はどうも有難う御座いました。初めての体験でしたがA先生のわかりやすいご指導で非常にいい勉強になりました。これから関心を持って自分でも少しヨガに取り組んでみたいと思っております。またいろいろな情報ありましたら今後ともよろしくお願いしたいと思います。まずはお礼かたがた。」

 2006年も明けて間もない1月7日、インドから丁度来タイ中だった筆者のヨーガ師匠A先生ご夫妻(日本人)をお招きして、サートン通りのサンサエン・アルン財団にてヨーガセミナー兼新年会を開催した。冒頭はバンコク在住のMご夫妻から頂いた感想だ。

会場となったこの財団は「オータニティブ・ウェイ・オブ・ライフ(AlternativeWay of Life)」をテーマに、エコロジー・健康・教育などの分野で幅広い活動をしている。つまりここも「スロー・ライフ」の陣営である。創立者グループは、1970年代の学生民主化運動の闘士連で、一時ゲリラ化して森に入っていた世代。その後、実業界での成功後、このような財団を設立して非営利活動にも熱心だ。タイでは、この世代の人脈が政財界をはじめ、各分野で影響力を強めているようだ。



さて、ヨーガセミナーだがタイ在住の方、日本からお越しになった方も含めて総勢13名になった。今回のテーマは『ヨーガによる日常の過ごし方』だ。



A先生は常々、「ヨーガは簡単でありながら、みなさんの健康管理にも十分お役に立つものです。」といっている。今回はヨーガは初めてという方も多かったが、A先生ご夫妻の判りやすい説明・実技指導のおかげでヨーガに対する理解が深まったのではないかと思う。まだ同時にA先生オリジナルのマニュアルを配布したので、今回は一回限りのセミナーだったが、そのマニュアル通りに実践すれば、テーマの『ヨーガによる日常の過ごし方』というとおり、日々の暮らしの中で少しずつ実践できるようになっている。



A先生は、「ヨーガは非常に応用範囲が広い、柔軟性に富んだ健康法であり、自己管理のメソッドです。知的基盤と適切な設備が整備されるならば、自立した健康づくりの本命として、将来的には参加型の代替医療の中核を担う可能性もあります。」と云う。



実際A先生は、タイにおいてはThai Yoga Instituteのアドバイザーを勤められ、若いお弟子さんたち(タイ人)がどんどん育っている。筆者も彼らと協働して、今回同様の機会を沢山設けたいと思っている。



最後にやはりセミナーに参加された若い日本人女性からの感想を御紹介する。

「こんにちは。先日はヨガセミナーでお会いできて光栄でした。ヨガセミナーでは、実に半年振りのA先生のリラックス話法で行ったアーサナ(注:ヨーガのポーズ)後のリラックスで完全にとろけきってしまいました・・・。あのリフレッシュした感覚は、皆にも一度体験してもらいたいものですね。」

因みにA先生のプロフィールには、趣味:「YOGA」 職業:「YOGA」と記載されている。

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(2006年1月掲載)
posted by バーンタオ at 18:21| Comment(0) | TrackBack(0) | ウエルネス(健康関連)

2008年08月03日

第24回「灯火は届いただろうか?」

 

「富山の空からサワディカップ!自称ニートM君ですが、129 日(金)に会って話しました。ご家族は行ってきなさいとのこと。当の本人が躊躇しています。一応、タイへ行くためアルバイトを紹介します。来週の金曜から年末まで休みなしの予定です。まずは、それからって感じです。」

当欄第21回で、富山出張報告その1」と題して、富山県で行われたニートの就業支援講演会の模様を報告した。タイに帰国後、この講演会に一緒に参加したルポライターの戸田智弘さん、この講演会を主催したNPO法人マイジョブクリエイションズ代表・盛田淳さんとの間で、週報を相互に配信することにした。

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お互いの仕事を振り返って問題事項を整理し、活動のブレを無くそうという目的だ。3者で協働してスピード感のある事業、スピード感のある“スローなビジネス”を実現しようということだ。そして冒頭は、今月半ばに送られてきた盛田さんの週報からの抜粋だ。

 「あとは、本人次第ですが、こちらからはヨガインストラクターやタイ古式マッサージ師などをめざしてはどうかと提案しています。その辺について、富山に戻ったときの手立てを見せてあげたいのですが、何かそういう方や事例など情報あればお願いいます。」と続く。

今年1月、ほんのりと、癒しを求めている人達を照らす灯火となれば・・・」と題して当シリーズがスタートした。今回で24回目、今年最後の掲載だ。このシリーズは、筆者の日常の活動や、タイで体験することの出来る様々な癒しを通して得られた情報や気づきを当欄で報告するということだった。

以後、鍼治療、バリアフリーツアー、ヨーガ、ニートなどをテーマに連載を続けてきた。「それが結果的にタイの癒しの知恵、アジアの知恵として蓄積され、ほんのりと、癒しを求めている人達を照らす灯火となれば幸いだ。」という考えの下に。果たして目的は達成されただろうか?灯火は届いただろうか?

来年以降、忙しすぎるストレス社会の日本からひと時離れ、タイで、自然体験、文化体験、タイ人との交流体験を通じ、健康を基盤にしたスローなライフスタイルをする、癒しと瞑想のための滞在をする・・・そんなことが当たり前になる日が近づいている予感がする。

前回の原稿で、それを「我々は、アジアの言葉でアジア型のライフスタイルを語ることはできないのか?」と問題提起した。

来年も、“それ”を語り続け、その思想をより洗練させたいと思う。そして持続可能な事業として確立する年にしたいと思う。多くの人に灯火が届くように。

冒頭の盛田さんから今年最後の週報が配信された。

「富山の空からサワディカップ!自称ニートM君ですが、1216日(金)からアルバイトすることになりました。順調にいけば年末まで10万円程度の収入になります。タイへ行くためということでしたが、本人にとってこのアルバイトが良いきっかけ、就労意欲の向上につながればと密かに願っています。」

M君の来タイを心待ちにしたい。そして、M君にとっても、タイに滞在する2006年の初春が、気づきのターニングポイントになることを祈りつつ2005年に別れを告げたいと思う・・・。 

戸田智弘さんのHP「海外生活21」 http://www.geocities.jp/kaigaiseikatu21/「NPO的生活」 http://www18.ocn.ne.jp/~npo/  
NPO法人マイジョブクリエイションズのHPhttp://blog.so-net.ne.jp/myjob/archive/c169041 )
(谷田貝) 
(2005年12月掲載) 
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第23回「もうそろそろロハスという言葉で・・・」

スローライフ?それって、もうそろそろロハスという言葉で言い表した方が良いんじゃないの?」

 

私事で恐縮だが、暮れも押し迫った12月中旬、引っ越すことにした。現在は、スクンビット通りソイ49の突き当たりの運河沿いに住んでいるが、新居はスクンビット71の奥にある古い住宅街の中の一軒家だ。今年の春まではパヤタイ通り沿いに住んでいたので、東、東へと移動していることになる。それはどうでもいいのだが、こんどは、ここを住居兼オフィスとして利用する予定だ。

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そして、少し落ち着いたら、ここをタイでの生活体験の場として、日本から来られる方が、ホームステイなどで利用いただけるように整備していきたいと思っている。かねてより、職・住を接近させ、筆者が普段提唱している、「健康こそ幸福の基盤」といった暮らしを筆者自身が厳密に実践し、滞在者に紹介したいと言う思いが強くあったのだ。

こうした考えを、年上の友人で、ルポライターの戸田智弘さんに話したところ、冒頭に書いたような提案をしてもらった。今まで、筆者が運営するホームページ上では、「スローライフ宣言!癒しの大地 タイ王国に暮らす」という言葉を使って筆者の考え方を説明してきたのだが・・・。

「え?ロハス?」


スペイン語のようにも聞こえるがどういう意味だろう?恥ずかしながらその時点でこの言葉の意味を筆者は知らなかった。


“ネット上でグーグルを利用して検索”したところ「ロハス」とは、Lifestyle of health and sustainabilityという英語の略だそうだ。

http://allabout.co.jp/family/simplelife/closeup/CU20050225A/


 直訳すると「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」。米国の社会学者ポール・レイ氏と心理学者シェリー・アンダーソン氏が提唱したライフスタイルのモデルが元になっており、日本には2002年に紹介され使われ始めたようだ。


「ロハス」という概念でくくられるキーワードとしては具体的に、
「オーガニック・フェアトレード・グリーンツーリズム・代替エネルギー・社会事業家・ホリスティック・東洋医学
‥‥」といったことが挙げられる


しかし、かつて同様の概念を言い表す言葉はあったと思う。

シンプルライフ、スローフード、スローライフ、ゼロエミッション・・・http://eco.goo.ne.jp/business/csr/navi/zeroemission01.html


 いずれにせよ、根底にながれているイミは一緒ではなかろうか?結局はアメリカ型消費社会の反省から生まれた、アメリカ製の言葉だ。我々は、アジアの言葉でアジア型のライフスタイルを語ることはできないのか?


ところで、“ネット上でグーグルを利用して、検索”という意味のことを、アメリカでは“グーグルする”という動詞ひとつで通用するほどになっているらしい。「タイで、自然体験、文化体験、タイ人との交流体験を通じ、健康を基盤にしたスローなライフスタイルをする」という意味の動詞として、タイ、そして日本では「バーンタオする」という言葉が通用するほどにならないか?


「ロハス」に取って代わる言葉としてあったとしてもいいのではないか?こんなことを夢想しながら、2005年も暮れようとしている。

 戸田智弘さんのHP「海外生活21」 http://www.geocities.jp/kaigaiseikatu21/「NPO的生活」 http://www18.ocn.ne.jp/~npo/  

(谷田貝) 

(2005年12月掲載) 
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