2009年04月20日

新年号「百年一度の危機か好機か――新春にあたり――」

昨年末の空港封鎖前後、各種メディアには外国人によるタイ人批判のコメントが殺到した。多くの外国人が迷惑を蒙ったのも事実。筆者の会社も甚大な被害を受けた。しかし国家は直線的に成長する訳がない。発展途上の国だからこそ、今まで日本人はじめ外国人たちは恩恵を受けてきたのだ。

 「お金はタイ人にとってビールの泡のようなもの」という言葉があるそうだ。「なくても暮らしていけるがあった方がサヌック(=楽しい)」という意味だとか。

日本人は、過ぎてしまったことを悔やんだり、まだ見ぬ未来のことを気に病んだりするきらいがある。この点タイ人たちの方が達観している。

 タイは鎖国をしても7年間は自国民を養えるという。
達観できるのは、こんな豊饒な自然の恵みがあるからだ。自然と共生する仏教の教えがあるからだ。今年は2月以降、実態経済が急激に悪化して、旅行業で100万人、それ以外で100万人、計200万人の失業者が出るそうだ。10年前の通貨危機でも同様の失業者がでた。しかし、タイでは社会不安は起きなかった。豊かな農村が、それらの人々を吸収したからだ。月日は経たが、今回もそのような機能が発揮されるだろう。闇雲に物質文明を押し進めるよりも、自給自足的な自然な生活に戻っても、別に構わないのだ。 そんな諦観が、昨年末の騒動の根底にはあったという。

世界は百年一度の経済危機だとか。しかし、それは、豊かさの意味、幸福の意味をもう一度考え、生き方の方向修正をする、百年一度の好機なのではないか?批判ではなく反省を。今年はタイの人々から「生き方の知恵」「癒しの知恵」をおおいに教えてもらおう。「タイのことは、タイの人にしかわからない」のだから。

(谷田貝)

(2009年1月掲載)

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2009年03月21日

第65回「雨の香り・・・−カオプラヴィハーンのお膝元の村は今・・・−」

「ようやくバンコクに今朝の夜行列車で到着しました。あっという間の数日間でした。」(筆者発行の日刊メールマガジンより抜粋)

 

7月下旬、嫁の実家に出かけてきた。タイ東北部最深部のシーサケット県。今、その領有についてタイとカンボジアが揉めている国境沿いのクメール遺跡、「カオプラヴィハーン」の文字通りお膝元だ。門前町のような村に嫁の実家は位置する。

 

ご存知の通り、両国の軍が出動して緊迫した様子だというニュースは聞いていたし、出発の2日前には在タイ日本大使館からも注意喚起のお知らせメールは届いていた。
滞在中、所用でカオプラヴィハーンまであと数キロというところまで行ったのだが、武装した兵士の姿は一度も見られなかった。いつもの田舎の営み、景色が広がるばかりだった。


それよりも・・・


今年の雨季、東北タイ地方は少し雨量を少ないようだ。確かに沿道に見かける水田の水位は低く、稲は黄色く変色し、心なしか元気がないように見受けられた。


「困ったなあ・・・嫁さんの水田の稲も心配だなあ・・・」


などと思い巡らしながら到着初日の夕べ、実家の居間でビールを呑んでいると、しばらくして屋根をたたく雨の音が聞こえてきた。


程なく外からの風に乗り、なんともいえない潤いのある香りが周囲を充たしてきた。
何の香りだろう?


乾いた赤土に雨が沁み込む際に発する土の香り?
それとも、雨そのものの香り?


明らかに、お花や何かの植物のものではない、微かな、しかし芳しい香りなのだ。
文字通り、恵みの雨を象徴するような豊穣な予感をさせる香り・・・。


今回の短い滞在中に、嫁とその婿に、田舎ながらの美味しいものを食べさせようと、義母はもちろん義父も気を使ってくれた。
 

普通日本では男が厨房にはいることはあまりないだろう。
しかしタイの農村の男衆は実に器用に料理をこしらえてくれる。とくに地鶏をさばいたり、男性ならではの役割もあるだろう。


畑仕事ばかりでなく、料理や家の修理などを全身を使って楽しげにこなしていく、義父や義兄の生活ぶりをみていて、以前、当欄でも紹介した「パパラギ」の一節を思いだした。

再度抜粋する。


「人間は手だけ、足だけでなく、頭だけでもない。

みんなをいっしょにまとめていくのが人間なのだ。手も足も頭も、みんないっしょになりたがっている。からだの全部、心の全部がいっしょに働いて、はじめて人の心はすこやかな喜びを感じる。だが、人間の一部分だけが生きるのだとすれば、ほかのところはみな、死んでしまうほかはない。こうなると人はめちゃめちゃになり、やけになり、そうでなければ病気になる。」


天候の関係で、収穫が左右されることもあるだろう。だが、彼らの姿を見ていて、自然との共生の中で、五感で幸福を感じ取ることの出来る農村での暮らしを実感した。

 「雨の香り」に気づくことが出来たのも、筆者の五感が蘇ったからにちがいない。

時にこうして田舎に出よう。

  「めちゃめちゃになり、やけになり、そうでなければ病気」にならないように・・・。


「パパラギ」概要はこちらから http://tinyurl.com/6a32q5

(谷田貝)

(2008年7月掲載)     



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2009年03月15日

第64回「いつも喜びの目と、しなやかな手足を持った人間であるために−『パパラギ』を読んで−」

「腹いっぱい食べ、頭の上に屋根を持ち、村の広場で祭りを楽しむために、神様は私たちに働けとおっしゃる。だがそれ以上になぜ働かねばならないのか。」

先日、筆者が主宰するコミュニティ「バーンタオ村」の会員で京都に住む女性Sさんが来タイされ、「パパラギ」という本を頂戴した。冒頭の文はその本の中からの一節だ。


概要はこちらから http://tinyurl.com/6a32q5

内容は、20世紀初頭、サモア酋長ツイアビが訪れた欧州に対する文明批評だ。素朴な、だが鋭い言葉で彼の目で見た欧州の文明が、サモアの豊かな自然、のどかな風習と比較されながら語られていく・・・。


実は二十年ほど前、ジョムティエンビーチに寝転びながら読んだことがあった今回Sさんから頂戴して再読し、20年前には分からなかった新たな気づきがいくつもあった。


本の後半に「パパラギ職業についてーーーそしてそため彼らがいかに混乱しているか」という章があるそこから一部抜粋する。


「人間は手だけ、足だけでなく、頭だけでもない。みんなをいっしょにまとめていくが人間なだ。手も足も頭も、みんないっしょになりたがっている。からだ全部、心全部がいっしょに働いて、はじめて人心はすこやかな喜びを感じる。だが、人間一部分だけが生きるだとすれば、ほかところはみな、死んでしまうほかはない。こうなると人はめちゃめちゃになり、やけになり、そうでなければ病気になる。」


なんだ、ヨーガの目的、考え方と一緒じゃないか・・・。「心と身体の統合」という。


飾り気のない言葉だが、真理をついている。

筆者は人間の幸福とは、心身とも健康であるということが基盤であると考えている。そのどちらかが突出しているということはありえないのだ。そして、前回の当欄で書いたとおり、幸福であるためには、それらにくわえて「他の人たちとの豊かな関係性」が肝心だ。

皆で「村の広場で祭りを楽しむ」ような・・・。

「パパラギ(=欧米人のこと)は自分の仕事について話すとき、まるで重荷におさえつけられたようにため息をつく。だがサモアの若者たちは歌いながらタロ芋畑へいそぎ、娘たちも歌いながら流れる小川で腰布を洗う。(中略)大いなる心(=神様のこと)は、私たちがすべての行ないを、誇り高く、正しく行なうことを、そしていつも喜びの目と、しなやかな手足を持った人間であることを望まれるのだ。」

いつも喜びの目と、しなやかな手足を持った人間であること・・・


まさに筆者がこれまで取り組んできたことであり、これからのテーマである。


「パパラギ」

そこには幸福であるためのヒントが語られている。

再読により、座右の書に加えることにした。これからの行動がぶれないように・・・。
(谷田貝)

(2008年7月掲載) 





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2009年02月25日

第61回「雑草という名の草はない」

「(前略)チェンマイ、ランプーンも時々雨が降るようになりました。農業者には、山の木たちには嬉しい雨ですが、雑草の芽も一緒に飛び出します。(後略)」

 

3月も下旬になり、バンコクもだいぶ気温が上がり、いよいよ本格的な暑季到来のようだ。

 

そんなある日、筆者が主宰するコミュニティー「バーンタオ村」の村人で、ランプーンにお住まいのSさんから、いかにも北タイの自然の息吹を感じさせるようなお便りを頂戴した。

 Sさんは60歳を越えた今も、ランプーン近郊で農業に打ち込んでおられる。「(雑草は)気温があるので日本よりも遥かに早いスピードで育ちます。熱帯農業は日本以上に雑草との戦いです。しかし雑草という名の草はない、とどこかの高貴なお方が申されたように、北部急斜面の農地では、土壌の流亡を防いでくれる強い味方でもあります。

メルマガ(=村人誌)によれば、毎日たいそうお忙しいようですね。どうぞお体に気をつけて、長くこのプロジェクトを続けられますように。S」

 

雑草という名の草はない、か・・・。

 短いが、鋭い教訓をいくつも感じさせてくれるとてもいいお話だなと思った。

Sさんは雑草の芽吹きで季節の変化と自然との共生を感じたのであろう。

 四季の豊かな日本からタイ・バンコクに移り住んだ日本人の多くはとかく、この地を季節の変化に乏しい土地柄と感じているのではないだろうか?

しかし実際は暑季には熱帯特有の美しい原色の花々が咲きみだれ・・・、雨季には樹木の瑞々しい緑がしたたり・・・、乾季は日本の秋空を思わせる凛とした空気を感じることが出来るはずだ。

 

もし、それらを実感することができないとすれば・・・

 バンコクという大都市での生活の中、私たちの五感が鈍っているのだ。

やはりSさんのような自然の中でのお仕事は羨ましい。機会があれば、Sさんの農場を拝見し、自然の中での生活を体験したいものだとも思う。

 しかし、バンコクという都会に住む私たちも、日々の生活の中にヨーガや太極拳を取り込むことなどで、心身の調和を促し、わずかな変化かもしれないが、微妙な自然からのメッセージを体感する能力を高めることができるのではないだろうか?そうすれば自然の変化を楽しむことができると同時に、他人の心の変化も感じることができ、優しい気持ちを持てるようになれるのかもしれない。 

日々の生活に工夫をとりいれ、五感を取り戻そう。季節感を取り戻そう。優しさを取り戻そう。

(2008年3月掲載)

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2008年08月03日

第23回「もうそろそろロハスという言葉で・・・」

スローライフ?それって、もうそろそろロハスという言葉で言い表した方が良いんじゃないの?」

 

私事で恐縮だが、暮れも押し迫った12月中旬、引っ越すことにした。現在は、スクンビット通りソイ49の突き当たりの運河沿いに住んでいるが、新居はスクンビット71の奥にある古い住宅街の中の一軒家だ。今年の春まではパヤタイ通り沿いに住んでいたので、東、東へと移動していることになる。それはどうでもいいのだが、こんどは、ここを住居兼オフィスとして利用する予定だ。

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そして、少し落ち着いたら、ここをタイでの生活体験の場として、日本から来られる方が、ホームステイなどで利用いただけるように整備していきたいと思っている。かねてより、職・住を接近させ、筆者が普段提唱している、「健康こそ幸福の基盤」といった暮らしを筆者自身が厳密に実践し、滞在者に紹介したいと言う思いが強くあったのだ。

こうした考えを、年上の友人で、ルポライターの戸田智弘さんに話したところ、冒頭に書いたような提案をしてもらった。今まで、筆者が運営するホームページ上では、「スローライフ宣言!癒しの大地 タイ王国に暮らす」という言葉を使って筆者の考え方を説明してきたのだが・・・。

「え?ロハス?」


スペイン語のようにも聞こえるがどういう意味だろう?恥ずかしながらその時点でこの言葉の意味を筆者は知らなかった。


“ネット上でグーグルを利用して検索”したところ「ロハス」とは、Lifestyle of health and sustainabilityという英語の略だそうだ。

http://allabout.co.jp/family/simplelife/closeup/CU20050225A/


 直訳すると「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」。米国の社会学者ポール・レイ氏と心理学者シェリー・アンダーソン氏が提唱したライフスタイルのモデルが元になっており、日本には2002年に紹介され使われ始めたようだ。


「ロハス」という概念でくくられるキーワードとしては具体的に、
「オーガニック・フェアトレード・グリーンツーリズム・代替エネルギー・社会事業家・ホリスティック・東洋医学
‥‥」といったことが挙げられる


しかし、かつて同様の概念を言い表す言葉はあったと思う。

シンプルライフ、スローフード、スローライフ、ゼロエミッション・・・http://eco.goo.ne.jp/business/csr/navi/zeroemission01.html


 いずれにせよ、根底にながれているイミは一緒ではなかろうか?結局はアメリカ型消費社会の反省から生まれた、アメリカ製の言葉だ。我々は、アジアの言葉でアジア型のライフスタイルを語ることはできないのか?


ところで、“ネット上でグーグルを利用して、検索”という意味のことを、アメリカでは“グーグルする”という動詞ひとつで通用するほどになっているらしい。「タイで、自然体験、文化体験、タイ人との交流体験を通じ、健康を基盤にしたスローなライフスタイルをする」という意味の動詞として、タイ、そして日本では「バーンタオする」という言葉が通用するほどにならないか?


「ロハス」に取って代わる言葉としてあったとしてもいいのではないか?こんなことを夢想しながら、2005年も暮れようとしている。

 戸田智弘さんのHP「海外生活21」 http://www.geocities.jp/kaigaiseikatu21/「NPO的生活」 http://www18.ocn.ne.jp/~npo/  

(谷田貝) 

(2005年12月掲載) 
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2003年10月01日

第3回 「村に暮そう――タイでホームステイしてみませんか?」

「まだ日も昇らぬ早朝から目覚め、近在の田畑に出る。清々しい空気の中、鍬を振るう。冷たい井戸の水で汗を流す。その家の住人と一緒に托鉢の僧に喜捨をする。日が高くなればお気に入りの木陰で読書をする。夕餉には地酒を酌み交わし村の古老の歌を愛でる、、。そして夜も更ければ質素だが蚊帳を吊った清潔な寝床で眠りにつく、、、」

 

9月22日、バンコクのラジソンホテルで開催されたのセミナーに参加した。テーマは「ホームステイ」。タイ国観光・スポーツ省の主催だ。

タイ人や外国人旅行者を対象に、地方の農村や漁村の一般家庭に体験的に滞在してもらおうという企画。どうやら国を挙げて取り組むようだ。

 

セミナーの参加者は約150名。旅行業者やツーリズム論を教える学者はもちろん、村おこしのキッカケとならないかと考える地方行政の有力者なども参加した。

 

まだ、発想の段階なのだろう。国立マヒドン大学の教授達がコーディネーターになり、彼らが作成した草案をベースにした基調報告、エコツーリズム専門家、農村経済研究者など関係者によるパネルディスカッション、グループ討論が行われた後、最終的な総括が行われた。

 

参加した結果、これはなかなか面白いと思った。

 

今、タクシン首相の政府は一村一品運動(ONE TUMBOL ONE PRODUCT=OTOP)を推進している。だが生産するのは物品ばかりでなくても良いはずだ。考えて見ればサービスも立派なプロダクツ(製品)だ。

 

サービスだからこそ、工夫次第で、その村、その家庭独自のものが提供できるはず。物品にはない多様性が生まれる。

 

タイ国中の到るところに、ホテルではなく一般の家庭に安全に安心して泊まれる場所がある。そしてその村、その家ごとの真似のできないおもてなしがある。その土地の文化や自然、生活風習に触れることが出来る。こんな楽しい旅はないではないか?

 

勿論課題がないわけではない。タイではホームステイの歴史が無いわけだから、今後最低限の基準を作成する必要はある。施設やその地域の安全性、衛生管理、情報提供の仕組みなどなど、、、。だが、いずれも克服可能な課題だろう。特に村おこしという観点からは、地方行政のバックアップが期待される。

 

いずれにせよ、我々外国人が体験できるようになるまではまだ多少時間はかかるだろうが大いに可能性は感じる。小生の中でも、様々なアイデアが生まれてきた。

 

「ホームステイ」。シニア世代がアクティブスローライフを楽しむ際の、有力なアクティビティーのひとつになりそうだ。

(2003年10月掲載)

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※写真はイメージです。

 
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2003年09月16日

第2回 「反撃は、"スローフードな食卓"から。―豊穣の大地・タイ王国の場合―」

「我々みんなが、スピードに束縛され、そして、我々の生活を狂わせ、家庭のプライバシーまで侵害し、"ファーストフード"を食することを強いる"ファーストライフ"という共通のウィルスに感染しているのです。いまこそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機へ向けて突き進もうとするスピードから、自らを解放しなければなりません。我々の穏やかな悦びを守るための唯一の道は、このファーストライフという全世界的狂気に立ち向かうことです。(中略)我々の反撃は、"スローフードな食卓"から始めるべきでありましょう。」

スローフード宣言抜粋 出典:島村菜津著「スローフードな人生!」新潮社)

 

今、ファーストフードに対するアンチテーゼとしての「スローフード」運動が、世界中で提唱されている。この運動を推進するスローフード協会は、1986年に北イタリアの小さな村で生まれ、現在は世界38カ国にあわせて約6万人の会員をもつNPO(非営利団体)だ。

 

 スローフードの「スロー」とは、やたら時間をかけて食べようということではもちろんない。ふだん漠然と口に運んでいる食べ物を、一度じっくり見つめ直してみよう、という提案だ。

 

長い年月と地域の風土や文化に培われた伝統的な食材や料理などを守り、安全で美味しい食材を提供する生産者を大切にする。そして、一般消費者へのスローフード教育を通じ、スロー哲学の発信を行う。これがスローライフ協会の目的だ。


豊穣な大地に恵まれたタイ。そこで収穫される食材も豊富だ。一年中あらゆる熱帯地方特有の野菜、果物が市場にならぶ。そしてタイ料理とひとことでいっても各地方によって様々な特色もあり、多様なスローフードを楽しめるはずだ。

 

そして、タイに暮らすのならば、レストランで供されるものを食べるばかりでなく、さらに一歩踏み込み、自分で栽培し、収穫する。そして自分で素材を吟味し調理をして自然の恵みを味わうということも可能なはずだ。
そもそも「食べる」とは 、太陽、空気、水、土によって育まれた、その土地の生命力を頂戴することなのだから、、、。

 

だが、ここタイでも自然の恵みそのままの食べ物ではなく、ファーストフードで象徴される、土地から切り離された加工食品が目に付くようになった。

 そして、農産品にしても、早く大量に生産し、消費しようという経済の要請により、化学肥料、農薬の使用例が増え、その弊害も出ているようだ。

タイで暮らし「アクティブ・スローライフ宣言」を実践するにあたり、まずは食について考えてみることは重要だ。今後数回に渡り、タイにおける「スローフード」について触れてみたい。

 

スローフードとは、食を通して、人の生き方、社会のあり方を見直すことでもあるからだ。

(2003年9月掲載)

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※無農薬バナナ。写真はイメージです。

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2003年09月01日

第1回 「スローだけどアクティブなシニアライフ。タイ王国にようこそ。」

『昔欲居南村 非為ト其宅 聞多素心人 楽興数晨夕』

 

“ここ南村に住みたいと思ったのは、方角を占ったからでなく、ここに

は心の素朴な人がたくさんいると聞いたから。そんな人たちと、朝夕ず

っと一緒に居たいと思ったから・・・”(意訳)。

原詩は六朝時代の中国、東晋の国の詩人、陶淵明の移居其ーだ。この句

には続きがあって、、、。

“そうして、念願叶って、今日、越してきた。自分の住む家はそう広い

必要はない。座れて寝れれば、それでよい。隣人たちがよく訪ねてきて

くれて、いろんなことをよく語りあう。良い詩歌があれば、一緒に愛

でる。知りたいことがあれば、共に学ぶ・・・・” (原文省略。意訳)

  日本の社会の少子・高齢化が進むなか、リタイア後の時間の過ごし方として、
イ王国でのロングステイが有力な選択肢として注目され始めた。 だが、今まさにス
タートラインにたったばかりで、ロングステイという言葉の解釈も様々だ。実際は
日本のメディアを中心とした話題先行といった印象も否めず、その報道の中には、

タイの物価の安さばかりを取り上げた短絡的なものも目につく。
  この欄では「アクティブ・スローライフ宣言!」という言葉で、タイ王国における

ロングステイの過ごし方を含め、「ライフスタイルの変容」を提言していく。 


 ファーストフードで象徴されるように、早いこと、便利なことが良しとされている

グローバリズムの時代に生きている私たち。ゆったりとした時間の流れるここタイ
王国で、ウサギのように駈けつづけて来た今までの生き方を見直してみよう、人生
をリセットしてみようという新しいライフスタイルの提案。 そのキーワードが「ア
クティブ・スローライフ宣言」だ。
<ゆっくり>は美しい スピードに象徴され、環境を破壊しつづける
現代社会は、誰にとっても生きにくい。それとは異なるライフ・スタイル
を求めて、さまざまな場所で模索し、考える人々の言葉に耳を澄ます。
<遅さ>という大切なものを再発見する・・・。」
(平凡社刊『スロー・イズ・ビューティフル―遅さとしての文化』帯広告から)
「早くて便利」が善とされるグローバリズム。「ほんとうにそうかな?」
と問いかけよう。
本書で紹介されていた詩をひとつ。
『なぜわれわれは、じぶんのでない 人生を忙しく生きなければならないか?
ゆっくりと生きなくてはいけない。 空が言った。 木が言った。 風も言った。』
(長田弘「人生の短さとゆたかさ」より) 

 “心の素朴な人がたくさんいる”という南村、タイ王国へ、ようこそ。

(2003年9月掲載)

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※写真はイメージです。

 
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