2009年01月17日

第52回「『何もしないということをする』ということについて----バーンロムサイ・ゲストハウスでの気づきについて----」

 

「昨夜遅くチェンマイからバンコクへ戻ってきました。(中略)やはりバーンロムサイのゲストハウスの一泊が良かったですね。実に短い滞在でしたが、人工の音の聞こえない場所で自然の空気に包まれる・・・という時間が貴重でした。」(筆者発行のメールマガジンより抜粋)

 

去る6月23日から25日まで、久しぶりにチェンマイを訪れた。そして一泊目は、チェンマイ空港から車で約30分南西に走ったところにあるHIV孤児施設「Ban Rom Sai」に隣接するゲストハウスに宿泊した。http://www.banromsai.jp/

 

現在、抗HIV療法のお陰でバーンロムサイで暮らす子ども達にはエイズを発症する可能性はほぼなくなった。HIVに関する知識が広がり、かつてよりは差別や偏見も少なくなった。

 だが、それでもいまだに感染していると就けない職業がいくつかある。そんな中、バーンロムサイの一部の支援者の方々が、将来子どもたちが自分たちで運営できればとの思いで建てたのがバーンロムサイゲストハウスだ。それが自分たちの力で生きてゆく為の生産手段、生活手段となればと・・・。

ところが・・・

 

昨今の急激なバーツ高である。昨年春から比べても、数十パーセントの上昇だ。円建ての支援がほとんどのバーンロムサイにとって、それは数十パーセントの収入減を意味する。

 

今回は、代表の名取美和さんや名取さんを補佐する麻生和子さんらに招かれて、せっかく建てたバーンロムサイ・ゲストハウスを有効利用するための対策を講じる話し合いのために訪れたのだ。

 

早速、到着直後からゲストハウスのリビングエリアで会議が始まった。やはり顔をあわせて話し合うと、彼女たちの求めていることも良くわかる。目的が明確になれば、やることも明確だ。

 ゲストハウスという生産手段も予算確保を最優先に考え有効利用していこう・・・。

今まではあえて押さえ気味にしてきたマーケティング活動をすこし幅をひろげて積極的に行っていこう・・・などなど。運営上、あるいはマーケティング上の気づきもたくさん得られた。

 バーンロムサイの方々との会議が終わった後は、ゲストハウスのダイニングで、名取さん、麻生さんの手作りのイタリア料理の夕食を一緒に頂き、翌日のお昼までは何もせず、ゆっくりした時間をすごした。

その時間のなかで、筆者自身も多くの気づきを得られた。

たとえば・・・

小さいながらも会社を自分で経営していると、自分のもっている1日24時間を自分の裁量で自由に使える。24時間寝ないで仕事したって良い訳だ。(できるわけないが・・・)

そして往々にして、知らず知らず長時間労働をしていることになりがちだ。何か手足を動かして作業をしていると安心してしまうからだ。だが、それが本当の経営者としての仕事なのか?

 ゲストハウスのダイニングで、淡い朝日に包まれてゆっくり朝食をとるとき、瑞々しい雨季の緑の敷地内を散歩したりするとき、脳の中で「何か」と「何か」が巡り合って反応しあい、「何か」が生まれてくるのを実感した。まるで音をたてるかのように・・・。

時に、自分で意識してパソコンのない、インターネットの通じないところに身を置くことがとても大切なのだろう。


「何もしないということをする」ということだ。

なんだか奇妙な日本語だが、そうするとき何かとても貴重な価値が生まれるような気がする。 ちなみにバーンロムサイ・ゲストハウスに宿泊した翌日は、チェンマイ市内のホテルに缶詰になって、ある事業計画書を完成させようとしたのだが、机に向かっ
ているだけでは良いアイデアは生まれなかった。

バーンロムサイで「何もしていない時間」の方が生産性が高かった。 そんな気づきを得た、チェンマイ出張だった。 タイで会社を経営されている方、あるいは駐在員の方々、バーンロムサイゲストハウスへようこそ!!
(2007年7月掲載)


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2008年09月13日

第31回「子供が喜ぶと、私も嬉しくなりました―バーンロムサイ滞在記その2」

「先日は大変お世話になりました。Mです。今回の旅は私の人生において、初めての飛行機、初めての海外でしたが、谷田貝さんのおかげで、安心してタイを楽しむことができました。どうもありがとうございました。

なにかあれば谷田貝さんに聞けばよい、という安心感がありました。(中略)タイのホテルはシャワーのお湯がまともに出ないのではないかと思っていました。すいません…。しかし、日本と同じくらい快適なので困ることがありませんでした。安心して眠れるということが安心感につながります。旅に慣れていない私にとっては、重要なことでした。」

 

2月の下旬、富山県のNPOマイジョブクリエイションズとの協働事業・若者のための就業体験プログラムを実施した。所謂ニートと呼ばれる若者たちのための研修だ。彼らの同行で、チェンマイの郊外にあるHIV孤児生活施設バーンロムサイに滞在しのだが、先日、プログラムに参加した若者M君からお便りが届いたので紹介する。

http://www.banromsai.jp/

「バーンロムサイは雰囲気がとてもよかったです。雑誌やテレビで見るような風景で、まさか自分がこんな所に泊まれるとは思っていませんでした。寝室とリビングの組み合わせが開放感を生んで、気持ちよいです。ここがホテルと大きく違うポイントですね。」

環境は気に入ってくれたようだ。

だが・・・。

バーンロムサイでは約30人の、HIVに母子感染した3歳から14歳までの子供たちが共同生活を送っている。滞在中は毎朝、午前7時から約二時間、子供たちと一緒に敷地内の落ち葉掃除をした。

「バーンロムサイで、子供と遊ぶのはちょっとなあ…と思っていました。実は苦手な分野なのです。」

M君は一人っ子。小さな子供たちとどのように接して良いのか分からないのだろう。いや、M君だけの問題ではない。今、日本へ行けば子供同士が遊んでいる光景すらなかなか見られなくなった・・・。

最初は、戸惑っていたM君だが・・・。

「しかし、うろうろしていると子供のほうから抱きついてきてくれます。私が自らコミュニケーションをとろうとしなくてもすむのが楽ちんでした。おんぶなり抱っこなりすれば、それで子供は嬉しそうです。子供が喜ぶと、私も嬉しくなりました。」

M君は、苦手とは云いながら1時間以上も子どもをおぶって果樹園の中を歩いていた。なかなかすばらしい光景だった。

「子供が喜ぶと、私も嬉しくなりました・・・」

とても素朴な言葉だが、その時のM君のこころをもっとも的確にあらわす言葉だろう。M君が嬉しくなると、筆者も嬉しくなる。幸福の連鎖だ。

M君は今回の旅で、足ツボマッサージの資格を取得した。これからの仕事に活かすのだろうか?これも人が喜ぶ仕事だ。

M君、また一緒に旅をしよう!!

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(2006年4月掲載) 
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2008年08月31日

第30回「幼老共生という言葉が・・・」

 

「挨拶遅くなりまして大変申し訳ありません  富山のTです。帰国して2週間経ちますが、まだ興奮冷めやらず、今でもタイで過ごした日々を思い浮かべてしまいます・・・」

 

2月末のある日、久しぶりにクロントイスラムにあるプラティープ財団を訪問した。プラティープ財団は、今は上院議員になられたプラティープ女史が16歳の頃、地元スラムの子ども達に読み書きを教えようと始めた「一日一バーツ学校」が母体になっている。主に子ども達の教育支援をしているボランティア団体だ。 http://www.dpf.or.th

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今回、富山県の事業を委託されているNPO法人マイジョブクリエーションズと共同で若者の就業支援プログラムを企画した。http://www.toyamav.net/~myjob/

 

その一貫として、介護福祉士で幼稚園教諭の資格もあるT君の就業体験をドゥアン・プラティープ財団で引き受けてもらうことになったのだ。冒頭は、研修終了後、T君から届いた手紙の一節だ。

 

プラティープ財団に到着後、所内の幼稚園を案内してもらった。丁度地域のお年寄りとの交流を行う日で、数十人の園児と、集まったお年寄り達がお遊戯に興じていた。

 

「なんと、お年寄り達の表情の嬉しそうなことだろう・・・。」

 そして、子ども達の笑い声が明るいこと・・・。

タイ語を一言も話せないT君は最初不安そうだったが、この光景をみて、人との交流は言葉だけではないということに、直ぐに気付いてくれたようだ。

 筆者自身はこの光景を見て、唐突に幼老共生という言葉が頭に浮かんだ。

アメリカではフロリダなどの温暖な土地に、リタイアメントタウンと呼ばれる年金生活者のコミュニティーがある。そこでは、子どものいる若い世代の同居を禁止、制限する場所もあるそうだ。

 

理由は、自分達だけの静かな生活を乱されたくないということ。自分達が納める税金を、学校施設など子ども達の教育費で使われたくないということだ。

 

それをある本で読んだとき、何だか「嫌なものを見てしまったな・・・」という、何だか冷たい、ザラリとした違和感を覚えたものだ。

 

最近日本でも、ロングステイという言葉が、団塊の世代の年金不安回避策としてだけ語られるのに違和感を覚えていた。シニア世代が、今は潤沢にもらえる年金を資金にして自分の暮らしたいところで暮らす・・・。

 

それはそれで結構だが、彼らが去った後の日本はいったいどんな社会になるのか・・・。

 

ここにも、アメリカのリタイアメントタウンに暮らす人達と同じ、自分本位な発想を見る思いがした。

 

タイで長年ボランティア活動にうちこんでいる年上の友人から、「子どもと、高齢者と、障害者が幸福そうな顔をしている社会が、本当に豊かな社会なんですよ・・・」と聞かされたことがある。

 特定の世代だけが幸福感を得られる社会にはなって欲しくないと思う。それぞれの世代が幸せな関係性をもちながら暮らせる社会になって欲しいと思う。 T君からの手紙は、次のように締めくくられていた・・・。「今回の研修で僕はタイは『癒しの大地』という意味がわかった気がしました。タイで過ごした日々は、いつも笑顔に囲まれて幸せの一言でした。谷田貝さんがタイを好きになった気持ちもわかった気がします。

これからは癒しの気持ちを忘れずに、自分にも人にも優しくなれたらと思います。」

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(谷田貝)

(2006年4月掲載)

 
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第29回「落ち葉掃き、そしてハーバルスチームサウナの効用とは?―バーンロムサイ滞在記」

2月の下旬、富山県のNPOマイジョブクリエイションズとの協働事業・若者のための就業体験プログラムへの同行で、チェンマイの郊外にあるHIV孤児生活施設バーンロムサイに滞在した。 所謂ニートと呼ばれる若者たちのための研修だ。

ここ、バーンロムサイでは約30人の、HIVに母子感染した3歳から14歳までの子供たちが共同生活を送っている。彼らには既に両親はいない。 http://www.banromsai.jp/

 到着二日目の朝、午前7時から約二時間、敷地内の落ち葉掃除をした。広大な敷地は元果樹園で、マンゴーやリンチー(=レイシ)の木々が生い茂っている。毎週、学校が休みの土日曜日の朝、落ち葉を掃除するのが子ども達の役割のひとつなのだ。

筆者は見ているだけのつもりでそのあたりを散策していたのだが、8歳の女の子に手をつかまれ、彼女の担当地区へと連れて行かれた。そして約二時間、彼女の指示のもと、生真面目な助手として熊手を振るったのだった。

落ち葉掃除など、中学生以来だ・・・。

  P2260039.JPG  不思議なもので、掃除をしているときは頭の中が空になりその作業に没頭した。一定のリズムで一定の動作を繰り返すことは、一種の瞑想効果でもあるのだろう・・・。

その日の午後は、日本から来た二人の若者たちは子供たちと思い思いにすごし、われわれ付き添いの大人たちは、事務所棟でバーンロムサイ代表の名取美和さん、アシスタントの麻生さんと打ち合わせをした後、バーンロムサイのゲストハウスの敷地にあるプールで泳いだり、ハーバルスチームサウナに入ったり、猫と遊んだりして過ごした。

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元果樹園の広い敷地に、素敵なコテージタイプの部屋が二棟だけ建っている。別棟には広々としたオープンエアーのリビングとダイニングがあり、市場で仕入れた食材を使い、自分自身で料理を楽しむことも出来る。

 

ハーバルスチームサウナは、数種類のハーブを外付けの釜で煮て、その蒸気をサウナ室内に送り込むものだ。室内にはハーブから抽出された蒸気が充満しており、肌から、あるいは呼吸器から成分を体内に取り込み、体の各器官に有効に作用するようだ。

 発汗作用があるのは勿論で、清々しいハーブの香りの蒸気とともに、流れ出る汗が、いかにも体内の毒素を取り出してくれているように実感させられる。

ちなみに、ゲストハウスの宿泊棟は勿論のこと、このサウナ棟も、バーンロムサイ専属の大工たちが作り上げた“手作りの作品”だ。

 

何度目かのサウナ入浴中、外からバーンロムサイ代表の名取さんが「温度はいかがですか〜?」と声をかけてくれ、温度を調整してくださった。

 子どもの仕事を手伝い(遊んでもらい?)、サウナに入り、研修目的とはいうものの、なんとも贅沢な楽しみ方をさせてもらったものだ・・・。
(谷田貝)
(2006年3月掲載)

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2008年08月03日

第24回「灯火は届いただろうか?」

 

「富山の空からサワディカップ!自称ニートM君ですが、129 日(金)に会って話しました。ご家族は行ってきなさいとのこと。当の本人が躊躇しています。一応、タイへ行くためアルバイトを紹介します。来週の金曜から年末まで休みなしの予定です。まずは、それからって感じです。」

当欄第21回で、富山出張報告その1」と題して、富山県で行われたニートの就業支援講演会の模様を報告した。タイに帰国後、この講演会に一緒に参加したルポライターの戸田智弘さん、この講演会を主催したNPO法人マイジョブクリエイションズ代表・盛田淳さんとの間で、週報を相互に配信することにした。

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お互いの仕事を振り返って問題事項を整理し、活動のブレを無くそうという目的だ。3者で協働してスピード感のある事業、スピード感のある“スローなビジネス”を実現しようということだ。そして冒頭は、今月半ばに送られてきた盛田さんの週報からの抜粋だ。

 「あとは、本人次第ですが、こちらからはヨガインストラクターやタイ古式マッサージ師などをめざしてはどうかと提案しています。その辺について、富山に戻ったときの手立てを見せてあげたいのですが、何かそういう方や事例など情報あればお願いいます。」と続く。

今年1月、ほんのりと、癒しを求めている人達を照らす灯火となれば・・・」と題して当シリーズがスタートした。今回で24回目、今年最後の掲載だ。このシリーズは、筆者の日常の活動や、タイで体験することの出来る様々な癒しを通して得られた情報や気づきを当欄で報告するということだった。

以後、鍼治療、バリアフリーツアー、ヨーガ、ニートなどをテーマに連載を続けてきた。「それが結果的にタイの癒しの知恵、アジアの知恵として蓄積され、ほんのりと、癒しを求めている人達を照らす灯火となれば幸いだ。」という考えの下に。果たして目的は達成されただろうか?灯火は届いただろうか?

来年以降、忙しすぎるストレス社会の日本からひと時離れ、タイで、自然体験、文化体験、タイ人との交流体験を通じ、健康を基盤にしたスローなライフスタイルをする、癒しと瞑想のための滞在をする・・・そんなことが当たり前になる日が近づいている予感がする。

前回の原稿で、それを「我々は、アジアの言葉でアジア型のライフスタイルを語ることはできないのか?」と問題提起した。

来年も、“それ”を語り続け、その思想をより洗練させたいと思う。そして持続可能な事業として確立する年にしたいと思う。多くの人に灯火が届くように。

冒頭の盛田さんから今年最後の週報が配信された。

「富山の空からサワディカップ!自称ニートM君ですが、1216日(金)からアルバイトすることになりました。順調にいけば年末まで10万円程度の収入になります。タイへ行くためということでしたが、本人にとってこのアルバイトが良いきっかけ、就労意欲の向上につながればと密かに願っています。」

M君の来タイを心待ちにしたい。そして、M君にとっても、タイに滞在する2006年の初春が、気づきのターニングポイントになることを祈りつつ2005年に別れを告げたいと思う・・・。 

戸田智弘さんのHP「海外生活21」 http://www.geocities.jp/kaigaiseikatu21/「NPO的生活」 http://www18.ocn.ne.jp/~npo/  
NPO法人マイジョブクリエイションズのHPhttp://blog.so-net.ne.jp/myjob/archive/c169041 )
(谷田貝) 
(2005年12月掲載) 
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第22回「富山出張報告その2 あそあそ自然学校訪問記」

「焚き火・・・何年ぶりだろう?」思わずそう呟いてしまった。前号で報告したとおり、去る11月6日、富山市のとやま自遊館で行われた就業支援講演会にルポライターの戸田智弘さんと共に講師として参加した。この講演会は、ニートの就業支援を行っている富山県若者就業支援センターヤングジョブとやま、そしてNPO法人マイジョブクリエイションズの主催だった。講演会から一夜明けて、戸田さん、そしてマイジョブクリエイションズ代表の盛田さんと、富山県の山間部にある「あそあそ自然学校」へ行ってきた。ここでは日本の子ども、若者たちを対象に、「農生活空間を遊びと学びの場とする家族型自然環境共育」を行っている。ここを訪れれば、タイでの就業支援就業体験を実施するうえで、何らかのヒントが得られるのではないかと思ったのだ。富山市内から車で移動。田園地帯を抜け、緑濃い、山間部に入っていく。遠くに見えていた、立山連峰だろうか、雪をかぶった山々が段々近くに見えてくる。約1時間後、富山県中新川郡上市町浅生地区の「あそあそ自然学校」に到着した。敷地の入り口にあるツリーハウスの中で、代表で環境カウンセラーの谷口新一さんと懇談した。谷口さんは東京の大学を卒業後この地方では大手企業の電力会社に就職したが、生まれ育ったこの地に戻ってきて、今の活動を開始した。ちなみに「あそあそ自然学校」は今話題のNPOではない。谷口さんによるとNPP(ノン・プロフィット・パーソン)だそうだ。NPOよりももっと自由で身軽な感じがする。「好きなことを仕事にする事の幸福」を知る人が見つけた、新しい“働く”形態かもしれない。筆者は、前号で述べたとおり、@親元、地元、日本から物理的に引き離すという事A海外では、新しいことを始めやすいということBタイの自然、文化、職業観に触れ、多角的な価値観をもってもらう・・・これらのことが、ニートの若者たちが社会に戻っていくために効果があるはずだと仮説をたててみた。このことを谷口さんにも説明した。「あそあそ自然学校」でも不登校、ひきこもりの若者を自然の中で預かる活動をしている。谷口さんとも興味深い意見交換ができた。初対面なのだが、不思議とそんな感じのしない方で、問われるままに私の将来やりたいことなどを時間の経つのも忘れてお話させていただいた。しかし、さすが山のだ。谷の間を雲が移動していく。息が白くなる。タイで暮らしている筆者は白い息を見るのは数年ぶりだ。あまりに寒そうにしている筆者をみて、谷口さんが、落ち葉を集めて焚き火をしてくれた。焚き火・・・

何年ぶりだろうか?

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手をかざしていると、杉の葉の良い香りが沁み込み、その日1日は残り香が楽しめた。焚き火の後は、自然学校に隣接する林を突っ切り、稲刈りを終えた田んぼを横切る。そして豊かな水量の湧き水の所まで行って、喉を潤した。年間通して10度程度の水温の水が滾々とわいている。僅かな時間の滞在だったが、農村の原風景に触れた気がする。

今回の日本出張の締めくくりとして、気づきの多い素晴らしい体験となった。

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(谷田貝)
「あそあそ自然学校」 http://exe.ne.jp/~npp/asoaso/ (お仕事中の方は要注意:音楽が流れます)戸田智弘さんのHP

「海外生活21」 http://www.geocities.jp/kaigaiseikatu21/

「NPO的生活」 http://www18.ocn.ne.jp/~npo/   盛田淳さんのブログ 「NPO法人マイジョブクリエイションズ」

http://blog.so-net.ne.jp/myjob/archive/c169041

(2005年11月掲載)

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2008年07月20日

第21回「富山出張報告その1 好きなことを仕事にする事の幸福」」

去る11月3日から11月8日まで、秋たけなわの日本を西から東に横断してきた。

113日は福岡、114日には大阪で、筆者が主宰しているメールマガジンの読者と懇親会を行った。翌11月5日は、大阪から合流したルポライターの戸田智弘さんが講師として招待され、福井県敦賀市で行われた福井県国際交流協会主催のロングステイセミナーにゲストとして参加した。

(戸田智弘さんのHP、「NPO的生活」 http://www18.ocn.ne.jp/~npo/ )

 

そして11月6日、実は今回はこれが一番の訪日の目的だったのだが、富山市のとやま自遊館で行われた就業支援講演会に戸田智弘さんと一緒に参加した。

この講演会は、所謂ニートの就業支援を行っている富山県若者就業支援センターヤングジョブとやま、そしてNPO法人マイジョブクリエイションズの主催だった。

現在、戸田さんも理事を務めるNPO法人マイジョブクリエイションズが、富山県から若者の就業支援、つまりニートの就業支援プログラム実施の委託を受けている。その一環として、タイで就業支援を行おうではないかという話になったのだ。

@    まずは、親元、地元、日本から物理的に引き離すという事A    海外では、新しいことを始めやすいということB    タイの自然、文化、職業観に触れ、多角的な価値観をもってもらう・・・

これらのことが、ニートの若者たちが社会に戻っていくために効果があるはずだと仮説をたて、まずは手はじめに今回の講演会を実施することとなった。

最初に、戸田智弘さんが海外インターンシップの一般概念を説明し、その後、筆者が、「海外インターンシップ。今、なぜタイ王国なのか?癒しの大地・タイ王国で就労体験!!」と題して、タイ王国の概要、職業体験の受入れ先の紹介、そして、なぜタイ王国が良いのか?という内容で、約一時間半の講演を行った。(NPO法人マイジョブクリエイションズのHP、http://blog.so-net.ne.jp/myjob/archive/c169041 )

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この講演会では、開始早々、冒険家で中央大学助教授でもある九里徳泰さんが飛び入りでスピーチをしてくださった。世界80ヶ国を廻った経験、冒険家・大学教員としてのご自身の職業観、好きなことを仕事にする事の幸福、それが出来る日本という国・・・などなど興味深いお話をしてくださった。経歴を見ると、年齢も筆者とほぼ同じだった。

偶然、学生時代の同じ時期にネパールにいたようだ。http://www.kunori.net/extream/

「好きなことを仕事にする事の幸福」
その後、大好きな冒険を繰り返し、現在のキャリアを築き上げてきた九里さんの話しには、会場に来ていたニートの若者たちも、深い感銘をうけていたようだ。

(2005年11月掲載)

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第20回「バーンロムサイ・ゲストハウスとは・・・」

「バーンロムサイに強い関心をもっていました。ゲストハウスの開設。なんと嬉しいことでしょう・・・」

バーンロムサイは、両親をエイズで亡くし自らもHIVに母子感染した孤児たちの生活施設だ。1999年12月にタイ北部のチェンマイ市郊外に開設された。現在、2歳から13歳までの30名の子ども達が暮している。http://www.banromsai.jp/ 

筆者は、チェンマイでもシニアのためのロングステイ体験ツアーを行っているが、そのときは必ずここを訪問させてもらっている。観光ではなく、タイで暮らすということを検討している人達には、ただ単に物価が安い、気候が良いという面ばかりでなく、タイという国を多面的に理解してもらいたいからだ。このバーンロムサイが、隣接する敷地に支援者の協力でゲストハウスを開設した。  http://www.baantao.com/main/ban_rom_sai/ban_rom_sai_main.html 

そのことを告げるメールマガジンを発行したところ、福島県の高校教師Nさんから早速冒頭のお便りが届いたのだ。チェンマイの市内から車でものの15分と言う近さだが、ぐるりと自然に囲まれたとても静かな環境だ。元果樹園の広い敷地に、素敵なコテージタイプのお部屋が二棟だけ立っている。

別棟には広々としたオープンエアーのリビングとダイニングがあり、市場で仕入れた食材で滞在者自身が料理を楽しむことも出来る。今年の夏、まだ仮オープンの時期、筆者も利用させてもらった。その時はたった一人で敷地内の大きなプールを独占し、水泳の後にはハーバルスチームサウナで汗を流し、またプールに飛び込む・・・。そんな贅沢な楽しみ方をさせてもらった。

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そのお返しという訳ではないが、正式オープンを機に、このゲストハウスのPRなどを筆者がお手伝いさせていただくことになった。通常のホテルとは勝手が違い、当初はサービスなども洗練されていないと思う。だが、チェンマイの田園風景のなか、自然を楽しみ土地の材料で食事をする・・・。そんなスローライフを体験するには最適な環境ではないだろうか?

尚、宿泊客が支払う宿泊費はHIV感染孤児施設の運営費として使用されることになっている。泊って頂く事がバーンロムサイの支援になると言う仕組みだ。

「まだ期日はきめられませんが、ぜひ利用したいと思います。本当に、何年も漠然とこんな旅がしたいと思っていました・・・」

Nさんからのお便りはこのように結ばれていた。

(2005年10月掲載)

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