2003年09月16日

第2回 「反撃は、"スローフードな食卓"から。―豊穣の大地・タイ王国の場合―」

「我々みんなが、スピードに束縛され、そして、我々の生活を狂わせ、家庭のプライバシーまで侵害し、"ファーストフード"を食することを強いる"ファーストライフ"という共通のウィルスに感染しているのです。いまこそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機へ向けて突き進もうとするスピードから、自らを解放しなければなりません。我々の穏やかな悦びを守るための唯一の道は、このファーストライフという全世界的狂気に立ち向かうことです。(中略)我々の反撃は、"スローフードな食卓"から始めるべきでありましょう。」

スローフード宣言抜粋 出典:島村菜津著「スローフードな人生!」新潮社)

 

今、ファーストフードに対するアンチテーゼとしての「スローフード」運動が、世界中で提唱されている。この運動を推進するスローフード協会は、1986年に北イタリアの小さな村で生まれ、現在は世界38カ国にあわせて約6万人の会員をもつNPO(非営利団体)だ。

 

 スローフードの「スロー」とは、やたら時間をかけて食べようということではもちろんない。ふだん漠然と口に運んでいる食べ物を、一度じっくり見つめ直してみよう、という提案だ。

 

長い年月と地域の風土や文化に培われた伝統的な食材や料理などを守り、安全で美味しい食材を提供する生産者を大切にする。そして、一般消費者へのスローフード教育を通じ、スロー哲学の発信を行う。これがスローライフ協会の目的だ。


豊穣な大地に恵まれたタイ。そこで収穫される食材も豊富だ。一年中あらゆる熱帯地方特有の野菜、果物が市場にならぶ。そしてタイ料理とひとことでいっても各地方によって様々な特色もあり、多様なスローフードを楽しめるはずだ。

 

そして、タイに暮らすのならば、レストランで供されるものを食べるばかりでなく、さらに一歩踏み込み、自分で栽培し、収穫する。そして自分で素材を吟味し調理をして自然の恵みを味わうということも可能なはずだ。
そもそも「食べる」とは 、太陽、空気、水、土によって育まれた、その土地の生命力を頂戴することなのだから、、、。

 

だが、ここタイでも自然の恵みそのままの食べ物ではなく、ファーストフードで象徴される、土地から切り離された加工食品が目に付くようになった。

 そして、農産品にしても、早く大量に生産し、消費しようという経済の要請により、化学肥料、農薬の使用例が増え、その弊害も出ているようだ。

タイで暮らし「アクティブ・スローライフ宣言」を実践するにあたり、まずは食について考えてみることは重要だ。今後数回に渡り、タイにおける「スローフード」について触れてみたい。

 

スローフードとは、食を通して、人の生き方、社会のあり方を見直すことでもあるからだ。

(2003年9月掲載)

P6280128.JPG

※無農薬バナナ。写真はイメージです。

posted by バーンタオ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | スローライフ・ロハス関連
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